BAL大阪音響音声学研究会

(はじめに)

設立に至った経過など

令和5年2月吉日
BAL(まつむし音楽堂)代表 和田高幸

 一概に「音声」と云っても、「やさしくもあり、むずかしくもある」というのが実感ではないでしょうか。だれでも日常的に使っているから、とくに意識はしないというのが「音声」でしょう。しかし医学的にみると奥が深いのです。一般に「花粉症」で話しづらいから、と耳鼻咽喉科を受診する人が多いようですが、歌手や能楽師、アナウンサーや声優など、日頃から聲を使う職業の人も、多く悩みを抱えていることがわかっています。

 まつむし音楽堂ではヴォイストレーナーや声楽家によるレッスンだけでなく、オペラにおけるレスタティーボの発声や歌唱法の指導など、内外の講師によるセミナーなどを開催して「音声」の改善、研究に取り組んできました。

 当音楽堂では、耳鼻咽喉科でヴォイストレーナを務めた森本まどか講師がレッスンをおこない、音声改善の事例は少なくありません。鍼灸学(牧野講師)におけるサポートもあり、近年では森本講師が率いる「MANAVOCE(マナ・ヴォ―チェ)」における歌唱指導にとどまらず関西歌劇団(故朝比奈隆氏創設)では理事を務めるオペラ歌手、河邉敦子氏も定期的に「歌声サロン」を開催、セミナーに参加するなど積極的です。

 さらに大学医学部(耳鼻咽喉科)から教授が来阪、専門的なセミナーを開催するなど、音声学研究の拠点の一つになっています。イタリア出身で母親が現役のオペラ歌手として活躍したG・ペトルッチ講師(NY在住)が、イタリアオペラにおける言語についてワークショップをひらきたいと伝えてきています。私自身も関西日本サイ科学会のお手伝いのかたわら、分科会やオンラインで「ダウジング」の講座を設けるなど、文字やイメージをも含めたあらゆるコミュニケーションの原点となる「音」「音声」に接近できる機会ととらえて設立にはよい時期かと考えました。

 「振動」(共振・共鳴を含む)の一形式としての「音」あるいは「音響」に関する研究を行いその成果を共有、またヴォイストレーニング技術の向上、ヴォイストレーナーの養成に資するものとします。「音響音声学研究会」においては医師の参加もあり臨床研究も可能ですが、一般の病医院と異なり金銭のやり取りや投薬などは行われません。

 なお、「音声」や「音楽」に関する研究会や発表の場を設け、活動内容を周知するためホームページなどを活用するものとします。つまりBALは、「音」や「音声」に関する各種の活動の母体として機能するものです。

 

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