まつむし音楽堂通信

 2020年 残暑号

 

●コロナ禍が収束しませんね。感染者数の増加が大きく報道されるので不安になるのは当然でしょうが、サンプルのとり方や検査の精度、地域による母数のバラツキなど気になる点もあります。とはいっても、病気は避けたいと思うのが人の常。マスクの着用、ソーシャルディスタンシング、換気、手指の消毒・・など一様な対応が求められています。

●感染症が蔓延する原因の一つが「過密」ですが、動物は一般的に「群れ」で行動する習性があるので断続的な「過密」や「濃厚接触」は避けられません。したがって、オンライン飲み会が主流になるとは思えませんが、テレワーク(在宅勤務)は定着する可能性があります。「人と会う」という職場や店頭での接客など「場」の効果が軽視されているのはともかく、通勤時間帯の混雑緩和や体調不良による自宅待機を可能にするテレワークは、介護の現場にいるオフィスワーカーにとっては朗報といえるでしょう。

●東京への一極集中が、地方分散へ向かう可能性もあります。仕事さえあれば場所を問わないのがネット社会。住みたいところに住んで、カフェを開業するなど、それまで思い描いていた夢を実現する、というのがトレンドになりそうです。1970年代、社会未来学者のA・トフラーはすでに通信の加速にともなう生活の加速化を予見していますが、テレワークや通信販売、宅配ビジネス、コンビニエンスストアもその延長線上に位置していたのかもしれません。飲食、金融、流通など、押し寄せる業態の変化は、スマホのような携帯端末で一元的に対応できるようになるでしょうね。

●「現金がものを言う社会」がわたしは健全だと思うのですが、現実は「金の流れ」などデータが重視され、電子化に向かっています。「情報=カネ」ということなんですね。分かりやすくてよいかもしれません。

●ところで、突然ですが50年ほど前のTVコマーシャルを思い出しました。「・・きゃぷりてとればすぎちょびれ、かきすらかきの、はっぱふみふみ・・」P万年筆のCMで、深夜番組の看板司会O・K氏が語りかける意味不明のキャッチコピーが受けたのか、当時では大ヒット商品となりました。

●私事、長年愛用しているM社の万年筆が海外へ修理に出ているので、不便を感じて約50年ぶりにP社の「キャップレス」万年筆を購入しました。値段は当時の10倍ほどですが、いまどき万年筆を使う御仁も少ないのでしょうか。売り場で尋ねるとボールペンの見本品が出てきたのはご愛嬌かもしれません。―ということでことしの夏もいよいよ終盤戦。コロナに負けず、頭もからだも大いに鍛える時期の到来となりました。

(和田高幸)

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