暮らし魔法館 片山学

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≪第二回≫ 日本の年中行事「お盆」について

日本最終神祇師 片山交壽神祇講傳会「龍灯の集い」テキスト(2002)より
©2017 Neutral Point Institute(まつむし音楽堂気付)


地蔵菩薩様の御勤め

 むずかしい経典では無く、広く供養として用いられているは御地蔵様です。盆でなくとも、佛の供養には是非宗派にとらわれない、御地蔵様をお教えしましょう。

普禮真言

南無や六道能化の地蔵菩薩さま
心より帰依(きえ)し礼拝したてまつる
御縁をもって導き救わせたまへ
オン・カカカビ・サンマエイ・ソワカ。


三帰依文

人身は受け難(がた)きというに我れ生を受け
佛法聞き難しというに我れ聞く事嬉し
此の身今生(こんじょう)に於いて手をあわす事無くば
更に何れの生に於いてか此の身を度せん
大衆諸共に至心に三寳に歸依し奉るべし
自ら尊き御佛に心より帰依したてまつる
まさに願はくは三世の大衆皆なとともに
大道をば体解(たいげ)して無上意を發さんことを
自ら法の道に心より歸依したてまつらん
当(まさ)に願はくは一切の衆生においてともに
深く經蔵に入りて智恵海の如くならんと
自ら尊き僧侶を敬ひ歸依したてまつらん
当に願はくは一切の衆生においてともに
大衆を善く統理して一切無礙(むげ)ならん事を

ざんげのことば

懴悔偈

我れ過去世より  今日に至るまで
生死の海をば  幾度かくりかえし
作り重ねし   諸々の悪業たるや
その数をば  数える事不可能なり
ここに於いて  尊き御佛の御前に
心からなる  懺悔の言葉申しのべ
我が心より  悔い改める事を誓い
此の後は  御教えをば堅く守らん
願くは  御佛の厚き慈悲の心にて
諸々の人とともに  心を浄め玉う
大いなる  尊き願いを以ての故に
浄らかなる  心与え玉わんことを

南無皈命頂礼。六道能化の地蔵大菩薩   三遍

ざんぎざんげ   ろっこんしょうじょう

慙愧懺悔。  六根清淨。

めつじょぼんのう めつじょごうしょう

滅除煩惱。   滅除業障。

 

發菩提真言

オン・ボウジシッタ・ボダハヤヤミ。

 

三眛耶戒真言

オンサンマヤ・サトバン。

 

供物の大事

阿字の子が 神においては天照太神
佛は大日如來に尊き命息を與えられ
産土神により 天高く産聲あげれば
鎮守の杜は 松風吹きて祝福し玉う
大乗妙典之功徳 天地における恩恵
かくのごとく 計り知れずものあり
ここに報恩の 誠をつくさんがため
赤き心を供物と無し 捧げ奉るなり
オーン。

 

覧字(らんじ)の智火(ちか)を以て貪瞋痴(とんじんち)の三毒を悉(ことごと)く燒き盡(つ)くすなり。
オン・ラン・ソワカ。

 

鑁字(ばんじ)の智水(ちすい)を以て身口意(しんくい)の三業を悉く洗い浄(きよ)むるなり。
オン・バン・ソワカ。

 

阿鑁吽(あばんうん)の三字変じて三身となれば、阿字の子は三身如來の身になるぞ嬉し。
悟りなば此の身此のまま御親なる、大日如來と変ず誓い尊きぞ。
オン・ア・バン・ウン・ソワカ。

 

地蔵菩薩。本願経属累人天品第十三

世にも尊きや大恩教主釈迦如来
我無き跡をつらつらおもんみて
過去現在未来へと業に引かれて
流れいく衆生を哀れみたまいて
我亡き後汝等諸々の菩薩と大士 
一切の天衆天龍鬼神を託さんと
静かに禅定の座よりたちたまい
金色の臂さしあげ地蔵菩薩招き
比丘姿の頭なる頂きに手を触れ
つぎなる言葉をのべたまうなり

 

偉大なる六道能化の地蔵大菩薩
汝の神通力たるや不可思議なり
大慈大悲なる心も不可思議なり
真実を見通す力も不可思議なり
説法に於る弁財も不可思議なり
今ここに汝の不可思議な力をば
過去現在未来に亙る十方三世の讃(たた)
千万劫(せんまんごう)なる時に於いて語りても
説き明かす事は実に不可能なり

 

偉大なる六道能化の地蔵大菩薩
汝の不可思議なる力を貸し玉へ
帝釈天座(いま)す刀利天(とうりてん)の国より出で
恒河沙(ごうがしゃ)の無数の砂よりもおおし
すべての御佛諸菩薩摩訶薩(まかさつ)及び
諸々の天龍八部諸尊だけでなく
縁ありてこの法会(ほうえ)に参じ来れど
未だ過去現在未来三世における
六道輪廻(りんね)の業の炎に追われる者
哀れとおぼしめして救わせ玉へ

 

偉大なる六道能化の地蔵大菩薩
哀れなるは人と生れしを喜ばず
阿耨多羅(あのくたら)三藐三(さんみゃくさん)菩提を退転せず
久遠(くおん)の劫より生死の海を惑溺(わくでい)し     
六道の苦患(くげん)を受けて暫しの憩い
未だ与えられる事なき哀れなり
願はくは地蔵菩薩の広大なるや
慈悲の御手によりて救わせ玉へ
深き御誓言により哀れなる者を
宿縁の業の縁より救いあげ玉へ

 

偉大なる六道能化の地蔵大菩薩
五濁悪世(ごじゃくあくせい)の世の中ににおいては
慈悲にあふる佛の声に耳傾けず
悪しき事に手を染める者おおし
たとい善心を発すも一時のこと
哀れなるかかる衆生を教化(きょうけ)なし
(よこし)まなる心を捨て正に帰するは
業報によるか若くは悪趣に堕し
大なる苦患受けん時方便を以て
汝の慈悲の手をば差し伸べ玉へ

 

偉大なる六道能化の地蔵大菩薩
哀れなるは人の子とはいえども
迷いの夢より覚めて善心に帰り
善根を行う事も時にはあらんや
己が作りし業報の海に恐れ戦き
御佛の御名か経典をば唱名して
救いを求めんものには地蔵菩薩
たとえ地獄の底にても釜を砕き
解脱(げだつ)の道へと立ち戻らせ玉ひて
彼らの罪を許させ玉わんことを

 

釈迦如来はふたたび偈をもつて

 

現在未来過去なる三世にわたる
一切の諸々なる菩薩摩訶薩天龍 
諸天善神鬼神人非人に至るまで
地蔵大菩薩尊にゆだねたるなり
乞い願くは汝の大神通力なるを
方便として救わせ玉わんことを
哀れなるや彼らを悉く解脱させ
永く諸々の苦を離れ救わせ玉へ

 

その時地蔵大菩薩恭しく合掌し

 

願くは大恩教主なる釈迦如来尊
たとえ身口意なる悪しき三業の
業報の報いを受けて劫数を経て
未来永劫出期(しゅつご)する事叶わぬ者も
僅かの善心があるなれば百千の
方便を以て解脱の道をあたえん
諸々の善事を聞きて明け暮れに
佛道修行に励む者はなおのこと 
彼等を守りて無上道においては
永く退転せざらん事を誓うなり

 

この時虚空蔵菩薩法会の中より
静かに立ち上がり如来に申すに
地蔵菩薩の徳は広大無辺なりと
若し菩薩の徳をば慕う者ありて
菩薩の経典名号を唱えるなれば
その功徳は計り知れない物あり
若し菩薩の像を描き若くは刻み
至心に礼拝をする善男善女には 
その福利たるやはかりがたしと
願わくは菩薩に就いて教え玉へ

 

虚空蔵菩薩よ汝がために説かん
汝は静かに心して聞くのがよい
若し未来世に於いて善男善女人
菩薩の事を知りこの経を聞きて
香華飲食衣服珍宝の布施供養し
菩薩をば讃歎礼拝するものには
二十八種の利益を得るであろう

 

一つには  諸天善神諸龍王尊守護し玉い
二つには  善因の報いを日に増して受く
三つには  長老の引き立てにより道守り
四つには  日々の菩提を願う心は変らず
五つには  住まう所衣服食物にも恵まれ
六つには  四百四病の病に患う事もなく
七つには  水火の災いは身近よりはなれ
八つには  盗賊の厄難等に会うことなく
九つには  知らず知らずに他人に敬われ
十には   諸天善神鬼神等の加護を受け
十一には  異性によりて身を過つ事なく
十二には  くらしに苦労することはなく
十三には  穏やかなる顔の相とかわりて
十四には  死後は極楽浄土にまねかれて
十五には  思わぬ目上の引き立てをうけ
十六には  人知の及ばぬ天の定めを悟り
十七には  必要に応じ願う所は叶うなり
十八には  一門一族悉く繁栄し憂いなく
十九には  諸々の悪しき災い全て消滅し
二十には  知らずに犯せし業道は除かれ
廿一には  己が願いは天に通ぜず事なく
廿二には  悪しき夢は見る事安眠を貪り
廿三には  亡き精霊は極楽浄土に導かれ
廿四には  恵まれたる生涯を約束されて
廿五には  神佛の加護を受け老後過さん
廿六には  暗き心は去り智恵の光り増し
廿七には  全ての物を慈しむ心豊かなり
廿八には  生を終えれば必ずや成佛せん

 

再び虚空蔵菩薩座より立ち玉い
未だ六道輪廻の辻を彷徨う者よ
地蔵尊の御名をば聞く事あれば
大慈大悲の地蔵尊に手を合わせ
地蔵菩薩の本願をば心して聞き 
朝な夕なに礼拝供養するなれば
七種なる現世利益を得らるなり

 

一つには  速やかに浄土にいたりて
二つには  作りおく罪科悪業消滅し
三つには  諸佛諸菩薩にまもられて
四つには  永遠に菩提心をば失わず
五つには  心はとみに安らかとなり
六つには  教えのまゝに生かされて
七つには  涅槃浄土の佛となるらん

 

この大法会に招かれしところの
諸佛如来諸大菩薩を始めとして
天龍鬼神に至るすべての参列者
地蔵菩薩の余にも優れたる徳と
不可思議な神通力を称え玉えば
天女は香しき供養の花を降らし
妙なる音楽を鳴らして釈迦如来
地蔵菩薩に供養をばささげ奉る
参列者は大いに歓喜し信受して
合掌恭敬し礼をなし退出し玉う

 

南無大慈大悲六道能化地蔵尊
釈迦如来より後世を託されて
南無大慈大悲六道能化地蔵尊
この世に出て禅定に入り玉い
南無大慈大悲六道能化地蔵尊
地獄の責苦を代りに受け玉う
南無大慈大悲六道能化地蔵尊
飢えに苦しむ餓鬼を救い玉い
南無大慈大悲六道能化地蔵尊
哀れなるや畜生をば導き玉う
南無大慈大悲六道能化地蔵尊
荒狂う阿修羅の心を諭し玉い
南無大慈大悲六道能化地蔵尊
生死海に浮沈む人を助け玉う 
南無大慈大悲六道能化地蔵尊
天人とて救わせまいらすなり
南無大慈大悲六道能化地蔵尊
恭しく合掌礼拝し御名を唱え
南無大慈大悲六道能化地蔵尊
この世あの世とも心は大安楽

 

南無大慈大悲六道能化地蔵尊
南無大慈大悲六道能化地蔵尊
南無大慈大悲六道能化地蔵尊

 

本覚讃

本覚心法身に歸命したてまつる
常に妙法の心は蓮の台なに住み
本來三身の徳をば具足したまう
三十七尊は夫れ夫れ心城に座し
普門にて塵の数に及ぶ諸三眛は
因果を遠く離て法然の具となる
無邊の徳なる海は本圓満なれば
我れ還りて心より諸佛を頂禮す

 

奉請願文

一心に地蔵菩薩尊を此の場に招き 
本尊界会におわす大地蔵菩薩は
普く妙なる三眛(さんまい)なる色身を現す
遍照金剛尊と崇め奉る弘法大師
都率内院に座す諸の薩土(さった)垂衆と
内外の権実(ごんじつ)なる諸聖衆皆な共に
哀愍を垂れ諸妙供を納受し玉へ
無始以來の犯せし重罪の全てを
一切の悪業果と共に滅除なして 
必ず來世は華蔵界にて導き玉ひ
今生においては善業の道を歩み
万の障りなく悉地円満成ならん

 

南無六道能化地蔵大菩薩

一心頂礼地蔵尊  一切罪障皆消滅
所修功徳回法界  究竟成佛超生死

 

回向文

仰ぎ願わくは南無六道能化の地蔵大菩薩
無始より今日までの犯せし罪障を懴悔し
つとに善事をはば行い真如実成に回向す
願わくは一切衆生未だ苦を離れざる者の
苦をば哀れみたまい除かせたまわん事を
願わくは未だ菩提心をばおこすことなき
哀れな輩らに菩提の心をあたえたまえと
願わくは六道輪廻の闇路の世界をさ迷い
成仏かなわぬ者をば成仏なさしめ玉へと
願くは地蔵大菩薩の廣大無辺の功徳にて
永く三悪八難の報いを離れさせたまひて
心安らかなる正道え導きたまわんことを

 

願わくは此の功徳をもちて 普く一切におよぼし
我らと衆生と皆なひとしく 佛道を成ぜんことを